最近、保育園のお昼寝について、見直すような動きが始まっているようです。
そして、こういった動きに対して、すでに大人になっている世代からも「確かに、保育園でのお昼寝は苦痛だった…」と共感をする人も多く、さまざまな意見があり注目を集めているようです。
「昼寝をしないのは脳が成熟し、必要がなくなったからです。自然な状態で昼寝をしなくなった幼児を不自然に寝かしつけることは、歩ける子にハイハイを強要するようなもの。昼寝した分、夜更かしになり、朝の機嫌の悪さや寝不足感など心身の状態も悪化します。無理やり寝かされることが強いストレスになっている子どもも多い」(福田さん)
引用:「AERA dot.」より
そして、そもそもなぜお昼寝が必要なのか?という点については、やや疑問に感じる方も多いようです。
その辺りについても、調べてみたいと思います。
目次
【保育園/昼寝(午睡)】の意味とは?
それでは、保育園でのお昼寝(午睡)には、いったいどのような意味があるのでしょうか?
本来の理由や、その意味から紐解き考えてみたいと思います。
まず、一番の理由としては、もちろん園児たちの健康や成長のために必要とする考え方から始まったとされています。
しかし一方では、保育士さんの休憩時間や連絡帳記入の時間確保の意味もあるため、現実的にお昼寝時間を削ることが難しいと言った理由もあるようです。
さて、それぞれの具体的な理由を整理してみたいと思います。
お昼寝は園児たちの健康のため?
もともと、お昼寝(午睡)はどのような理由から始まったのでしょうか?
まず、保育園では「必ずお昼寝の時間を取らなければいけない」と言ったような、決まりなどがあるというのでしょうか?
この厚生労働省が定めた指針からは、このような記述を見つけることができますが、この意味をわかりやすく説明するとすれば。
午睡など適切な休息をとらせ
といった表現がされています。
つまり、『午睡など…』という事は必ずしもお昼寝(午睡)でなければいけないという決まりはないと考えられます。
本来の目的としては、”園児たちの体力と精神的な疲れを癒やすこと”を目的として考えられているようです。
そのような理屈で考えると、お昼寝を嫌がる幼児に対してはむしろ午睡を強制的に強いることで余計にストレスを与えてしまうと考えられるため、必要ではに子供もいると考えられます。
お昼寝の具体的な効果とは?
それでは、お昼寝をすると得られると考えられる効果について、まとめてみたいと思います。
- 体力的&精神的な疲労を癒すため。
- お昼寝によって消化吸収が促され、成長を助けるとされる。
- 成長ホルモンが多く分泌されるため、健やかな成長を促すとされている。
- 「夢」を見ることによって記憶の定着が促される。
- お昼寝の前に排泄をする、などの躾の意味も持っているとされる。
- お昼寝時の衣服の着脱の習慣を覚えさせるため。
などなど。
保育園によっても考え方にばらつきがありますが、主な要因としてはこのあたりだと考えられます。
中でも重要とされているのは、『体力的&精神的な疲労を癒すため。』だと考えられます。
この理由から、お昼寝(午睡)をうまく利用することで、子供がストレスを感じにくく上手に育てることが出来るという意見もあります。
お昼寝は合理性を求める保育士さんのためでは??
それでは逆に、本来は園児たちの健康や成長のために始まっていたとされるお昼寝(午睡)が、現実的な問題として、保育士さんたちの休憩のためや仕事を合理的にしていく上で必要不可欠になってしまってはいないか??
という問題についてです。
こちらについても、保育園によって考え方にばらつきが出始めているようですが、やはり現状においては、一斉にお昼寝の時間が導入されている場合が多いようです。
お昼寝(午睡)を導入すべき理由とは?
現状の体制では、保育士さんの仕事を合理的に進める上でも”お昼寝は必要”という場合が多いようですが、その理由とは?
- 午睡の時間に、保護者への連絡帳や手紙を記入するため。
- 午睡の時間に、保育士の休憩時間をまわすため。
- 午睡の時間に、各行事などの製作物を作成するため。
👆主に、この3つの要因があるようですが、保育士さんの場合は常に子供の動きに注意しておく必要があるために、休憩時間と言ってもまとまった時間がしっかり取れるという訳でもないようです。
現実的に考えると、お昼寝の時間を無くすためには(必要な子には午睡するといった個別の対応も含む…)保育士さんの働き方や人数などの改善も含め、さまざまな改革をする必要があるようです。
連絡帳に書くことは、その日の子どもの遊びの様子や保護者から質問・連絡があったときの返事などいろいろな必要事項を一人ひとりの連絡帳に書いていきます。
複数担任の場合はこれを分担して構わないので比較的楽にはなりますが、6歳児などの場合、一人担任が大半となります。
一人で数十人もの連絡帳に記載していくのでかなり大変な仕事になります。この仕事が毎日あるので慣れるまで苦痛に感じる人もいるかもしれません。
引用:「保育士の仕事」より
👆ちなみに、連絡帳とは『子供が保育園でどのように生活をして、どういった変化があったのか』などを知るために必要とされているようです。
大切な子供を預ける親にとっては、この連絡帳の情報で子供の成長を知ったり、日々変化していく個性に気づいてあげることができたりと、保育士さんと連携して子供の成長を考えるために大切なツールになっているようです。
お昼寝について、いろんな意見が出ています。
保育園の昼寝は無くさないで時間を短くすればよくない??
— HRGI (@HIROGOI) 2019年3月1日
長女は土日いまだに昼寝するような子なので保育園の昼寝は貴重だった。働いてると20時とかに寝かせるのは難しく、共働きだと早寝をさせるのは大変だと思うのだけど、そうでもないのだろうかhttps://t.co/qwId2x21l8
— ぼんやり (@SierraDeusto) 2019年3月1日
昼寝するしないは子には大事なことだろうけど、保育園の先生の仕事はどーなるの??
連絡帳とかある園は死亡だよね?? https://t.co/vmJDxTvH9j
— ねむ🤰19w♀ (@lotalove555) 2019年3月1日
そう、こちらの都合だけど寝ないと児童票や日誌、手帳が書けない、製作準備も出来ない…。
ましてや午睡中に会議なんて無理…。でも強制午睡は反対。
んー。
保育園の“昼寝強制”はストレス 廃止で起きた子どもの変化とは?- Yahoo!ニュース https://t.co/yfbMhcFGRG @YahooNewsTopics
— riiiiiiiiiiiinn3year&9mbaby (@riiiiiiiiiiiinn) 2019年3月1日
2歳児くらいから昼寝する平日と、昼寝しない休日で明らかに就寝時間が変わってるので、出来れば昼寝は無しでお願いしたい。ただ、保育園側の稼働を考えると昼寝は必須なんだろうな。
保育士さんのライフはとっくにゼロなんで致し方ない。— 課長 (@kacho_u) 2019年3月1日
さまざまな意見が飛び交う中、
早くも一部の保育園ではお昼寝の廃止を導入しているという事例も出ているようで。
給食が終わった午後1時すぎ。東京都足立区立中央本町保育園の年中(4歳児)クラスでは、部屋の一角が囲われ、布団が並べられた(写真参照)。園児2人が布団に入り、保育士がそばで見守る。しばらくすると寝息が聞こえてきた。
同じ部屋の中では15人ほどの園児たちが、ままごとやすごろく、カード遊び、紙の手裏剣づくり、ぬり絵などそれぞれ好きな遊びに夢中になっている。
多くの保育園では1~2時間ほどの昼寝が日課に組み込まれ、保育園での昼寝は「当たり前」とされているが、足立区は2011年4月から区立保育園の年長(5歳児)クラスの昼寝を廃止。その後、年中クラスでも一斉寝かしつけをやめた。昼寝が夜更かしにつながり、生活習慣が乱れる可能性があるからだ。
江戸川大学人間心理学科教授で同大睡眠研究所所長の福田一彦さんによると、米国睡眠財団の04年の調査で3歳の子どもの約40%、4歳の75%、5歳の85%が昼寝をしないことがわかった。福田さんらが12年に足立区で行った調査でも、3歳児でも7割が昼寝をしていなかった。
引用:「AERA dot.」より
👆この東京都足立区の保育園では、4歳児と5歳児クラスのお昼寝(一斉寝かしつけ)を廃止しているという。(まだ午睡が必要なこどもには、個別に対応しているよう…)
一部の子供がまだお昼寝を必要としている中、その他の8割以上の子供がお昼寝をせずに塗り絵やおままごとなど、好きな遊びをしているという。
これが逆だったならどうかと思うが、こんなに多くの子ども達がお昼寝をしていないことを考えると、強制的に寝かしつけることについて、やはり見直すべきなんじゃないかと思ってしまう。。
【保育園/昼寝はなぜ?】夜寝ないんだけど…
さて、それでは、お昼寝の効果については先程まとめた通りだが、その逆効果についてはどのようなものがあるのでしょうか?
つまり、強制的にお昼寝をさせられている子供が多いのではないか?
といった視点と、母親にとっても「お昼寝はもうやめてほしい!」「夜寝ないから、悪循環になっている」といった声も多いようです。
これらの意見を全て聞き入れるということについて、保育士にとっての負担が大きくなるのであれば、それはそれで問題ではありますが、、ココはひとまずお昼寝反対派の意見を見てみましょう~
【保育園/昼寝はなぜ?】もうやめてほしい!
保育園で無理矢理に寝かしつけをしてしまうことで、ストレスに感じてしまい保育園に行きたくないと言い出す子供もいるよう…
さらには、保育園でお昼寝をしてしまうことで、逆に夜の寝付きが悪くなってしまうため、夜更かしになり親への負担も大きくなってしまう。。といった意見も。
保育園の“昼寝強制”は、夜更かしになり、朝の機嫌の悪さや寝不足感など心身の状態も悪化します。無理やり寝かされることが強いストレスになっている子どもも多い。
— 逆転発想節約 (@yanan1211) 2019年3月1日
保育園昼寝廃止してほしい〜。2歳くらいまででいいよね。あとは眠い子は寝たらいい。
— 舞(ガイリー) (@mai0302) 2019年3月1日
保育園時代は、昼寝の時間に寝れた記憶がない。マジで無駄な時間だった。
— みぎ(MIG) (@otamasaaan) 2019年3月1日
2歳児くらいから昼寝する平日と、昼寝しない休日で明らかに就寝時間が変わってるので、出来れば昼寝は無しでお願いしたい。ただ、保育園側の稼働を考えると昼寝は必須なんだろうな。
保育士さんのライフはとっくにゼロなんで致し方ない。— 課長 (@kacho_u) 2019年3月1日
私自身が保育園で育ったのですが、まったく昼寝ができない子で、年長の時は2回くらいしか寝た記憶がない。
なので、残りの年間300日近くは寝たふりをしながらただ午後を待っているだけで苦痛でした。寝られない子は本を読んだり、絵を描いたりできたらいいなと思います。https://t.co/mAR9RvI7h1
— はまじ⚽️エンジョイサッカーを全国に (@hamaji99) 2019年3月1日
保育園昼寝問題でYahoo ニュースへの返信ツイートにびっくり…
夜更かしは親の責任だの(いや長時間昼寝したらまじ寝ないんだって)、昼寝の事故減るだの(事故になる年齢には昼寝絶対必要です)、親もさっさと寝ろだの(いつ家事やるんですか?)、育児経験ない人このニュースにコメントする意味わからん😂— しんまいまま@2y11m+3m (@leaf0) 2019年2月28日
子どもの脳の発達的に、だんだん昼寝の必要なくなってくるらしいんだよね。小児の実習で行った保育園は5・6歳児クラスもお昼寝タイムがあって。パートさんに寝かしつけ任せて、保育士さんは保護者への連絡帳書いてたんだ…。そういう時間確保のための昼寝タイムかーなんか違うなーって。
— しろいおもち🍵 (@nic0ri) 2019年3月1日
👆いろんな意見がありますが、その多くは「夜更かしになってしまう」「寝付きが悪い」だと考えられます。
そして、先ほどの足立区の例で考えると、ほとんどの子供がお昼寝を必要としていないと考えられます。
という事は…
どちらかと言えば、保育士さんの体制というより子供のストレスや成長の方を優先して、お昼寝制度の見直しを考えてほしい…と感じてしまいます。
ちなみに、
足立区の保育園では、2011年4月からお昼寝廃止を実施していて、このようなデータが出ているようです。
その差は歴然ですが、大まかな変化としては「自発的に寝ることが出来るようになったこと」と「寝付きが良くなったこと」だと考えられます。
子供のことを考えると、個別対応がベストでは?
いろんな意見があるとは思いますが、実際に自分が子供の頃を振り返ってみても、お昼寝の時間が苦痛だったという人も多いです。
という事は、子供のことを考えると、選ぶことが出来るように個別対応をしてあげることが大切なんじゃないかと感じます。
そしてその後、保育園を卒園してからも小学生以降の夜更かし習慣にも改善が見られたりという点では、非常に大きな変化ではないかと思います。
とは言え、そのような効果についても一概に全ての子供に当てはまるのかと言えば、当然個人差があるでしょうし、「絶対にこうすべき!!」みたいなことってないと思います。
ですが、子供も1つの意思を持った人間ですから、できれば柔軟な個別の対応が出来るような環境が望ましいのではないかと感じてしまいます。
個人的には、保育園でのお昼寝の時間は苦痛に感じていたタイプですが、、
大人になった今では、お昼寝ってなんて幸せな時間なんだろうと思います…(笑)
【保育園/昼寝はなぜ?】まとめ
今回は、保育園のお昼寝制度について考えてみました。
日本でも一部の保育園では、お昼寝(一斉寝かしつけ)制度の廃止を始めていたりと、少しずつ変化しているようです。
江戸川大学人間心理学科教授で同大睡眠研究所所長の福田一彦さんによると、米国睡眠財団の04年の調査で3歳の子どもの約40%、4歳の75%、5歳の85%が昼寝をしないことがわかった。福田さんらが12年に足立区で行った調査でも、3歳児でも7割が昼寝をしていなかった。
引用:「AERA dot.」より
アメリカの調査でも、4歳児で75%、5歳児では85%もの子どもが昼寝をしないというデータも出ているようです。
そういった意味では、多くの子どもにとって、お昼寝がストレスになっているのかも知れませんし、今後もっと見直されるべき案件だと考えられます。
とは言え、現状の体制的に保育士にとっての負担が大きいということも事実のようです。
この辺りの要因は、どのように改善されていくのでしょうか?
いずれにしても、やや時間が必要な問題と考えられます。
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